舟のある暮らし|第一話:無人島に旅する舟と私のこだわり

舟のある暮らし|第一話:無人島に旅する舟と私のこだわり
[PR] 当サイトはアフィリエイト広告による収益を得ています。

こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo7_com)です。

「舟が欲しい」

それは、XLR250BAJAと海を見つめていたときにふと湧き上がった衝動だった。

大きな荷物を積んでキャンプ場にたどり着き、テントを張り、アルコールストーブで魚介類を焼きながら潮騒を聞いていた。

そのとき、ただ船に乗りたいのではなく、自分の船が欲しいと思ったのだ。

しかし、それはカーフェリーや豪華なクルーザーではなく、もっと小さく、もっと愛らしい舟だ。

まるで少女が花を摘みに行くためのような、ゆらゆらと揺れる小舟…

舟のある暮らし

あーき・てっく

第一話:無人島に旅する舟と私のこだわり

 XLR250BAJAと海にいったときだった。大きな荷物を積み、海の見えるキャンプ場にテントを張り、キャンプ場の近くで買った魚介類を自作のアルコールストーブで焼きながら海を見ていた時、ふと思った。「船に乗りたい」船に乗りたいといってもカーフェリーなどで旅がしたいとかではなく、自分の船が欲しいと思ったのだ。船といっても船外機のついている大きな船ではなく、舟が欲しかった。そう、ゆらゆらと揺れる小舟である。私は、「かわいい」が好きなので、小舟と聞くと、「白い小舟に花がたくさん敷き詰められ少女が座っている」といったイメージが浮かぶ。ネットで「舟 販売」などと検索すると競艇のボートや釣り専用のボートが上がる。違う違うそうじゃない、私が求めているのは、「少女が花を摘みにいく、ゆらゆらと揺れる小舟」なのだ。「舟 販売」で検索したのが悪かった。次は、「カヌー」と検索すると、少女が花を摘みにいきそうな舟が現れた。「これこれ」とスマホの前で大きな声を出す。しかし、価格を調べると結構なお値段がするのだ。

 私が求めているのは、「少女が花を摘みにいく、ゆらゆらと揺れる小舟」なのだから、ポリ製ではない。当然木製であり、先端にオイルランプがぶら下がっていなければならないのだ。さらに、深く深く検索する。すると、カヌーの設計図を海外などのカヌー愛好家が無料で公開していた。数日間翻訳しながら、設計図を理解するために勉強してみてわかった。このカヌーを作るのは、今の私の現状では無理だということだ。現実は厳しい。しかし、諦められない私は、さらに検索した。頭のなかから「少女が花を摘みにいく、ゆらゆらと揺れる小舟」が消えないからだ。1ヶ月が経ち検索の項目が様々なものに変わっていくなか、一週間に一度は、「少女が花を摘みにいく、ゆらゆらと揺れる小舟」を探した。

 検索しながら、ふと考える。自作するには、場所が必要である。我が家には、ちょっとしたガーデニングをやっているベランダしか思い浮かばない。部屋の中で作ることも可能かもしれないが、現実的ではない。カヤックやカヌーを自作するにしても、広さとして最低でも舟の長さはいる。ベランダの長さを測る。6メートルだった。いけると判断して自作することを決意する。この頃から、私の中で「少女が花を摘みにいく、ゆらゆらと揺れる小舟」から「冒険家が荒波を乗り越え、無人島に旅する舟」に変わっていた。私の中で「かわいい」と「かっこいい」は正義なので、どちらでも良いのだ。

 「冒険家が荒波を乗り越え、無人島に旅する舟」を作る覚悟は決まったので、行動は早い。「自作 シーカヤック 木製」と検索する。シーカヤックと限定したのは、シーカヤックでないと荒波を超え無人島に到着できないと判断したからだ。そして、木製と決めたのは、木製でないと自作が困難だからである。検索して一発目で、不思議な設計をしたユニークなシーカヤックが目に入る。アーキ・テックという会社が設計製造販売しているシーカヤックである。私は、一枚の板からシーカヤックを作る決意をしていた。しかし、アーキ・テックのシーカヤックは、ベニヤなのだ。ベニヤといえばあの合板とかコンパネとかいろいろな名称があるが、接着剤で木片を接着した便利な板である。私の第一印象は、「ベニヤは、あかんやろ」そう私の中でベニヤは「あかんやろ」のカテゴリーに入れられた「かわいい」にも「かっこいい」にも当てはまらないどちらかというと「脇役」だったからだ。しかし、このシーカヤックが、現状とマッチしていたのだ。1つに、シーカヤックであること、2つ目に、設計図がいらないこと、3つ目に、キットということ、4つ目に、3分割のシーカヤックだということだ。この4つ目の3分割という要素が、「ベニヤ」や「あかんやろ」を相殺した。私の中で、これ以外ないと判断できた瞬間、アーキ・テックのホームページから「S1ー3PF」を購入していた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

fukumomo3_photo

コメント