おまけエッセイ

おまけエッセイ|モノづくりと暮らしの記録

おまけエッセイ|モノづくりと暮らしの記録

「作る」と「考える」を楽しむ、おまけエッセイ

「ものを作ること」と「文章を書くこと」には、共通点があるんです。

どちらも、思いついたアイデアを形にするために、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ完成に近づいていくとおもいませんか?

このカテゴリーでは、カヌー作りやバイクのレストア、ガレージDIYなど、実際に手を動かして作ったものの記録とともに、その過程で考えたことや、思いがけない気づきを書いていきます。

  • どうしてこの道具を選んだのか?
  • なぜこの作業に時間をかけたのか?
  • 思わぬ失敗と、その先にあった発見など

そんな「作る」ことにまつわるエピソードを、小説風に楽しみながら読んでもらえたら嬉しいです。

「作ること」の面白さを、ちょっと違う角度から味わえるような、そんなエッセイが書けたらいいなと思っています。

あなたのものづくりのヒントや、DIYへの一歩を踏み出すきっかけになれば、これ以上の喜びはないです。

おまけエッセイ

一万円で作れる一万二千円の本の話|第三話:防水シートを張らなかった理由

作業小屋は、端材おじさんのおかげで約1ヶ月で完成した。屋根裏にはバイクの部品をしまい、壁には道具たちを飾り、100Vと200Vの電源も確保した。「完璧な作業環境」そう思っていたのは、台風が通過する前までだった。台風が去った後、ふと壁を見ると雨染みが広がっていた。どうやら、屋根の軒先が短すぎたのが原因らしい。さらに、均等に並べたはずの端材おじさんが収縮し、微妙な隙間を生んでいた。その隙間から雨が侵入する。
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一万円で作れる一万二千円の本の話|第二話:カヌーのはずが作業小屋になった話

「カヌーを作る」と決意したはずなのに、気がつけば頭の中は作業小屋のことでいっぱいになっていた。カヌーのことなどすっかり忘れ、脳内会議の席は満席。最前列に鎮座するのは『建てる場所様』だ。我が家に作業小屋を建てられるスペースはたった一箇所。堂々たる指定席だ。次に現れたのは『バイク小屋様』。何やら言いたいことがあるらしく、こちらを見つめるなり力強く語り出した。
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舟のある暮らし|第一話:無人島に旅する舟と私のこだわり

「舟が欲しい」それは、XLR250BAJAと海を見つめていたときにふと湧き上がった衝動だった。大きな荷物を積んでキャンプ場にたどり着き、テントを張り、アルコールストーブで魚介類を焼きながら潮騒を聞いていた。そのとき、ただ船に乗りたいのではなく、自分の船が欲しいと思ったのだ。しかし、それはカーフェリーや豪華なクルーザーではなく、もっと小さく、もっと愛らしい舟だ。まるで少女が花を摘みに行くためのような、ゆらゆらと揺れる小舟…
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一万円で作れる一万二千円の本の話|第一話:一万二千円の本に導かれて

カヤックを漕ぎ続けて十年以上になる。いつもの湖畔の小さな小屋で、愛犬と過ごす昼下がり。スマホをいじっていると「一万円で作るカナディアンカヌー」 という本を見つけた。「一万円? そんな価格でカヌーが作れるのか?」そう思いつつ調べてみると、2001年に出版された本だった。