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こんにちは、fukumomo3_Photo(@fukumomo7_com)です。
「カナディアンカヌーを作ってみたい」と考えている方へ!
木取り図・場所・時間 この3点さえ確保できれば、意外と初心者でもできちゃいますよ。
このブログでは、実際に私がベニヤでカナディアンカヌーを自作した全工程を詳しく紹介しています。
材料費の詳細や必要な工具、失敗しないためのポイントまで、実体験をもとにまとめました。
「カヌーを作ってみたいけど、何から始めればいいの?」という方は、ぜひこの記録を参考にしてみてくださいね。
※本記事は、個人によるカナディアンカヌーのDIY製作記録です。
記載の方法はあくまで一例であり、作業はすべて自己責任のもとで行ってください。
材料の取り扱いや工具の使用、安全管理、水辺での使用時には十分ご注意ください。
また、地域によっては航行ルールや法的な規制がある場合もありますので、事前にご確認のうえ、安全な範囲でお楽しみください。
カナディアンカヌーは本当に一万円で作ることができるのか?
答えは、無理です。
理由は、『一万円で作れるカナディアンカヌー』この書籍が販売された年は、2001年で今から24年も前の書籍だからです。しかも、ウッドショックなどで物価だけが上がった現在では、一万円でカナディアンカヌーを作ることは、ほぼ不可能となりました。
しかし、一万円では作れませんが、2万円〜4万円ぐらいの予算があれば、簡単に製作することが可能です。

このタイトルにドキドキしないDIY好きはいないでしょうね。
そしてなんと、この書籍には、カヌーの木取り図から組み立て説明書が入っていることです。それも原寸大の木取り図が入っているのです。これ以上の「付録」はないですよね。
では、ここからは、実際に製作した時の、インスタグラムのストーリーズにアップした画像を見ながら説明していきます。
実際の製作過程
材料の準備
現在の価格では、一万円では到底収まりませんが、3万円前後で以下の材料を揃えました。
- 合計:36,808円
- ミッチャクロン:1ℓ:2,473円
- FRPプライマー:1kg:3,576円
- FRPガラスクロス#200:10m:8,358円
- 角材:1.2cmx1.8cmx90cm:1本:158円
- 水性塗料:1k:4,279円(二色にする場合はx2)
- 木工用ボンド:500ml:2本:598円x2=1,196円
- ベニヤ板:180cmx90cm(1.2cm厚)1枚:1,380円
- 綿テープ:1.8cmx500cm:10本:348×10=3,480円
- FRP樹脂(凝固剤付きインパラフィン):4kg:5,158円
- ベニヤ板:180cmx90cm(0.4cm厚)5枚:1,350円x5=6,750円
- FRP加工を望まないのであれば:-17,092円で、合計:19,716円となります。
注意:2022年の価格を表示しています。
製作に必要な工具
- ペン
- 定規
- かんな
- メジャー
- 布テープ
- 電動サンダー
- 電動ジグソー
- 塗装用刷毛
- 塗装用ローラー
- 押しピン(200個)
- ダブルクリップ(大中小30個)
- ハンドタッカー(ステープラー)
- ビニールバンド(梱包用PPバンド)
この中で、一番必要となるものは、電動ジグソーです。
理由は、手動でカットするととても苦労します。しかも、木取り図通りカットできない可能性が高まります。このことにより、組んだときにカヌーが曲がってしまうことがあるので、電動ジグソーを使用することをおすすめします。
次に、私が持っていてよかったと感じた工具は、電動サンダーです。
理由は、FRPを貼ったあとに表面を綺麗にするのですが、これを手で紙やすりなどを使いやっていたらとても1ヶ月では完成しなかったと感じています。このことからも、電動サンダーは強くおすすめします。
最後に、「ありがとう」と強く感じ「こんなところでもつかえるのね?」と、この小さな道具の発明に感謝したのが、『ダブルクリップ』でした。
理由は、このあとの作業を見ていくと「ダブルクリップすげ〜な!」と感じるはずです。
特別付録:1/20スケールのペーパークラフト

2022/7/29
『一万円で作れるカナディアンカヌー』には、特別付録として1/20スケールのペーパークラフトが添付されていたので、厚紙に移し取り、実際に製作する前に、小さな模型を作ってみました。
私は、必ず大きなものを作る時、雑でもいいので、模型を作ることにしています。
理由は、模型を作ることで、自信がつくからです。たとえば、あなたがカヌーの製作途中で疑問や悩みを感じたとします。しかし、この模型があれば、その疑問と悩みを解決してくれるのです。
小さいだけで、構造は同じなのですからね。
設計とカット作業
いよいよ、設計とカット作業となりますが、木取り図があれば設計は必要ないです。
この「一万円で作るカナディアンカヌー」には原寸大の木取り図が添付されていたので、今から、この木取り図を0.4cmのベニヤに移し取りカットしていきます。

2022/7/30
0.4cm厚のベニヤに、木取り図を貼り付けます。
ここで、気をつけることは、木取り図のシワを極力取り除いて平面にすることです。

2022/7/30
シワを取り除いた木取り図のラインに押しピンを隙間なく刺していきます。

2022/7/30
押しピンの点と点を繋いで線にしていきます。
アールがある箇所は、隙間なく刺しますが、直線の箇所は2点で十分です。

2022/7/30
気の遠くなる作業ですが、これが後の精度につながると信じて黙々と作業します。

2022/7/31
ここでダブルクリップを使用します。大中小を用意する理由は、ベニヤの厚みが違うからです。

2022/7/31
電動ジグソーのコツは、押しつける力を8としたら押し出す力を2くらいすることです。
理由は、押しつけを弱く押し出しを強くすると、歯が上に上がってくるからです。歯がベニヤから離れないように、強く押しつけてカットすることが、ライン通りにカットするコツです。

2022/8/1
パーツが切りとられ揃ってくるとワクワクしますね。
しかし、電動ジグソーなどを長時間使用するとわかると思いますが、手に痺れが出てきたりしますので、1日の作業時間を決めて作業することをおすすめします。
理由は、電動ジグソーなどの振動工具には、3軸合成値で規定時間を超えないように作業すると定められているからです。趣味である作業ですが、実際にやっているとこの規定値も、うなずけると感じるはずですよ。

2022/8/2
もう一つ、電動ジグソーで気を付けることは、切れが悪くなったら新しい刃に交換することです。
理由は、切れないまま、強く押し付けることで誤魔化しながら使い続けると、断面が荒くなりますし、危険です。予備の刃を用意しておいて常に切れる刃でカットすることをおすすめします。

全てのパーツが切り取られました。
つぎからは、バラバラのパーツを接合していく作業になります。
カットしたパーツを接合

2022/8/3
4.4mのカヌーなので、とても長くなります。
4mを超えると製作場所が限られてきます。場所があるかどうかを検討してから製作に取り掛かることも重要となります。

2022/8/3
まだまだ完成には程遠いのですが、バウに乗っかってますね。

2022/8/3
◯の部分が接合部です。
木工用ボンドを均等に塗ったのち、タッカーで接合部分を貼り付けています。

2022/8/3
猫が乗っただけでは、剥がれるので厚みに合ったダブルクリップで圧着します。
木工用ボンドのコツは、圧着です。接着面に隙間があると強度が明らかに落ちますので、できる限り隙間のなくなるような方法でボンドが乾くまで圧力をかけます。

2022/8/6
全てのパーツの接合が終わったら雨のかからない屋内で乾燥を待ちます。
木工用ボンドの接着方法
- 1. 準備
- 接着面のホコリや汚れを拭き取る
- 必要に応じてサンドペーパーで表面を少し荒らす(密着力UP)
- 2. 接着
- 均一に塗る(厚塗りはNG、適量を薄く伸ばす)
- 接着面を圧着(クランプ・重し・ダブルクリップなどで固定)
- 隙間がないように密着させる(空気が入ると強度低下)
- 3. 乾燥
- 速乾タイプ:約30分~1時間で仮固定、24時間で完全硬化
- 通常タイプ:約1~2時間で仮固定、24時間で完全硬化
- 気温・湿度によって乾燥時間が変わる(湿度が高いと遅くなる)
- 4. 仕上げ
- 乾燥後、余分なボンドを削る・拭き取る
- 必要に応じて再接着・補強
- ポイント
- 接着後はできるだけ動かさない!(ズレると接着力が落ちる)
- 厚塗りより薄く均等に塗る!(乾燥時間と強度が安定)
- 圧着時間はしっかり守る!(特に接合部は慎重に)
意外と忘れている木工用ボンドの接着方法をリストにしておきましたので、参考にしてくださいね。
では、次からは、いよいよ組み立てに入ります。
船体を組み立て

2022/8/6
できる限り広い場所での作業が好ましいですが、我が家の作業小屋は、3mなので、前後に大きくはみ出すこととなりました。

2022/8/6
木工用ボンドは、乾けば水にも強いのですが、乾くまで弱いので仮設の屋根としてシートを貼りました。

2022/8/6
このとき、使用する道具はPPバンド、綿テープ、ダブルクリップ、カンナです。
接合面が、Vになっています。この、Vの部分のベニヤの角が立っているので少しだけ削りVが作りやすいように削ります。木取り図の精度はとても高いので、ゆっくりとPPバンドを締め付けると自然と船底がVになります。歪みのないことを確認したら、布テープを適当な長さにカットして、木工用ボンドで接着します。

2022/8/6
今回使用している木工用ボンドは、市販のボンドなので速乾性といえど最低でも12時間以上、できることなら24時間はおきたいところです。

2022/8/7
24時間後に次の層を組み立てていきます。

2022/8/7
圧着のためタッカーを多用しています。
圧着後、タッカーの芯が抜けるか試しました。しかし、抜けなかったので、刺したまま作業を続けます。

2022/8/7
1日ひとつの層を接着するペースで組み立てました。
理由は、木工用ボンドは平面での接着には強いが、画像のような圧着できない箇所は、特に慎重に乾燥を待たないと極端に接着能力が落ちるということです。

2022/8/8
画像は、ベニヤの角をカンナで削ってないですが、角を削って接着面を増やしてからボンドで接着し、ダブルクリップで圧着するとよいでしょう。

2022/8/8
しかし、私のとった方法は、先端の左右のベニヤを垂直にすることで面を増やしました。
理由は、カヌーやカヤックなどの先端は硬いものに必ずぶつかるので、強度をつけたかったためです。
どちらの方法でも構いませんが、やはり肝心なことは、しっかりと圧着させるということです。

2022/8/8
PPバンドの締め具合でアールが変わるので、締めたり緩めたりしながら調整します。
PPバンドをダブルクリップで固定している理由は、固定しないと滑り落ちて最終的には、細い方から抜けてしまうからです。
布テープで固定してPPバンドを閉めるといった方法も考えましたが、ダブルクリップが一番使いやすく安心感があったのでおすすめです。
やはり、このとき模型があると確認しながら製作できるので、「安心」のためにも先に模型を作ることを強くおすすめします。

2022/8/9
PPバンドと布テープを多用して、形を作っていきます。

2022/8/10
「この状態でFRPを内側と外側両方に貼り補強すれば、仕切り板いらなかったりして?」
「バウとスターンに、空洞だけ作って、ガンネルがあれば・・・大丈夫じゃね?」
などと、誘惑はありましたが、「一万円で作れるカナディアンカヌー」の木取り図通りのカヌーを製作します。
仕切り板の組み立て

2022/8/11
仕切り板に使用しているベニヤは、1.2cmなのでネジで締め付けることができます。

2022/8/11
全ての仕切り板をカヌーのアールに合った場所に取り付けネジで圧着しました。
このネジは、最終的に抜く予定でしたが、抜かなかったです。
理由は、最終的にFRPを貼るからです。

2022/8/11
舟には、「ガンネル」といった「船縁(ふなべり)」が必ずあります。
舟のガンネルの役割
- 舟の強度を高める
- 舟体の剛性を向上させ、ゆがみを防ぐ。
- 衝撃や摩耗から守る
- 桟橋や他の舟との接触時にダメージを軽減する。
- 安全を確保する
- 手すりやロープ固定の基部になり、転落防止にも役立つ。
- 水の侵入を防ぐ
- 波やしぶきの進入を抑え、舟内を守る。
- 収納や取り付けポイントとして活用
- ロッドホルダーやフェンダーなどの装着場所になる。
例えば、オフィスなどで水を飲む時に使用する「紙コップ」あれの口をつける場所って丸くなってますよね?あれが、舟でいうところのガンネル(縁)となります。
もし、あの丸い部分がなかったらどうでしょう?
きっと手に持った瞬間、弱々しく潰れて水がこぼれてしまうことでしょう
たかが、ガンネル(縁)されど、ガンネル(縁)なのです。

2022/8/11
幅に合ったダブルクリップを使用して圧着します。

2022/8/11
ダブルクリップは、100均でも良いですが、大量に使用するので、私は、カインズホームの大中小特大を使用しました。
下処理

2022/8/12
電動サンダーで繋ぎ目の角の立っている箇所などを削っていきます。

2022/8/12
電動サンダーなどの振動工具を使用するときは、振動工具専用手袋の着用をおすすめします。
- 振動障害の予防(血行障害や神経障害を防ぐ)
- 手の疲労軽減(振動を吸収し、負担を減らす)
- 安全性の向上(グリップ力が増し、事故防止)
- 手の保護(摩擦や飛散物から守る)
- 長時間作業への適応(快適性が向上し、負担軽減)
私も、以前まで素手で振動工具を使用していましたが、この手袋を使用するようになってからは、かならず着用するようになりました。
理由は、格段に疲労感が違うことです。例えばあなたが、一日中休みもせず電動サンダーでカヌーを削っていたとします。夕方作業が終わり奥さんに呼ばれて晩御飯を食べます。目の前には、美味しそうな唐揚げがありました。お腹が空いていたので箸で掴もうとした瞬間、箸先が合わず唐揚げを落としてしまいました。原因は、振動工具の使いすぎです。これの習慣を続けると使っていなくても手が痺れたりするようになります。このことからも、振動工具専用の手袋の使用をおすすめするのです。

2022/8/12
最終的に、FRPを貼る予定なので、できる限り角を削り落としました。

2022/8/13
角を落とし終わったのでパテ埋めしていきます。

2022/8/13
大雑把にパテを盛っていきます。

2022/8/13
使用するパテの乾燥時間を計算して、次の作業を割り出します。
FRPを貼る

2022/8/15
削って乾かしてを繰り返して下処理完了。
FRPを貼ってからも電動サンダーを使用して粉塵と戦うこととなるので、対策方法とリスクを挙げておきます。
電動サンダー使用時の粉塵対策
- 防塵マスクの着用(粉塵の吸い込みを防ぐ)
- 保護メガネやゴーグルの使用(目への粉塵の侵入を防ぐ)
- 作業場の換気を徹底(粉塵の滞留を防ぎ、空気を入れ替える)
- 集塵機やサンダーのダストバッグを活用(粉塵をできるだけ回収する)
- 作業後の掃除を徹底(掃除機や濡れ雑巾で粉塵を取り除く)
- 防塵服や長袖の着用(粉塵が肌につくのを防ぐ)
- 火気の近くで作業しない(粉塵が引火するリスクを避ける)
粉塵を吸い込むリスク
- 呼吸器系の障害(気管支炎や肺炎のリスクが上がる)
- じん肺(粉塵肺)(長期間の吸引で肺が繊維化し、呼吸困難になる)
- アレルギー反応(くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどを引き起こす)
- 有害物質の吸入(木材、防腐剤、塗料の成分が健康被害を及ぼす)
- 慢性の咳や喉の痛み(微細な粉塵が粘膜を刺激し、炎症を引き起こす)
- 肺がんのリスク増加(特定の粉塵には発がん性があるものも)
- 酸素供給の低下(肺に粉塵が蓄積し、酸素を取り込みにくくなる)
パテやベニヤなどの粉塵ならば晩御飯の時、口の中がザラザラするぐらいの笑い話かもしれませんが、FRPのガラス繊維の粉塵は危険ですので、粉塵マスクと粉塵メガネの着用をおすすめします。

2022/8/15
FRPの貼り方(インパラフィン vs ノンパラフィン)
- 作業環境を整える(温度15〜25℃、湿度50%以下、換気を確保)
- 下地処理(清掃・脱脂・プライマー塗布・サンディング)
- ガラスマットをカットし、配置を確認
- 樹脂の準備
- ノンパラフィン樹脂 → 積層作業向け(層間接着性が高いが表面がベタつく)
- インパラフィン樹脂 → 最終仕上げ向け(表面が固まり、ベタつかない)
- 硬化剤(MEKP)を1〜2%混ぜ、均一に攪拌する
- ガラスマットに樹脂を塗布し、エア抜き(気泡を除去)
- 必要な層数を積層(ノンパラフィン樹脂で一気に作業)
- 最終層にはパラフィン入り樹脂を使用(表面を硬化させる)
- 完全硬化後、サンディングや仕上げ処理を行う

2022/8/16
湿度が高すぎると、FRPが凝固しないことがあり、湿度が高い時の作業には注意が必要です。

2022/8/16
ガラスクロスは、#200を使用しました。

2022/8/16
念の為に、FRPプライマーを使用しました。

2022/8/16
空気が、乾いてきたので作業開始です。

2022/8/16
ガラスクロスを貼りました。

2022/8/16
クロスと素材の間に空気が入った場合は、慎重にローラーなどで空気を押し出します。
1枚目は、ノンパラフィンで貼っています。

2022/8/16
途中で雨が降ってきましたが、無事凝固が始まり固まったあとでした。
2枚目は、インパラフィンで貼りました。

2022/8/16
2枚重ねの#200のガラスクロスで補強したので、4mm厚のベニヤで作ったカヌーには見えなくなってきましたね。
『湿度70%・温度26°』の作業でした。このことから、凝固剤を、規定値より少し多めに入れました。
FRPを貼る時の注意点は、慌てず急ぐこと
理由は、FRPは凝固剤を入れてかき混ぜた瞬間から固まり始めるからです。例えば、FRPに凝固剤を混ぜてからガラスクロスを貼ったとします。ガラスクロスが貼り終わる頃には、バケツの中のFRPはカチカチに固まっていることでしょう。しかし、急ぎすぎても過去の私のように、気泡だらけのFRPの表面となります。このことからも、FRPを貼る時は、慌てずに、急ぐことなのです。
といっても、慌てずに急ぐことなど素人には、なかなか難しいことです。
この作業を可能にするには、経験しかないです。したがって、いきなり本番にチャレンジするのではなく、ちょっとした木箱などでもいいので、カヌーに貼る前に貼ってみることです。ちょっとした木箱で成功したのならばアールのある素材にFRPを貼る練習をしてみてください。きっと回数を重ねるごとに、「ああ!こーゆーことね!」とコツみたいなものが見えてくるはずですよ。
塗装前の下処理

2022/8/17
塗装をする前に、表面をもう一度削りきれいに整えます。

2022/8/17
塗装は、あまり気にしないで良いと思いますが、湿度が高かったので別の作業をしました。

2022/8/17
FRPを貼ったのは、外側だけです。
内側にFRPを貼らなかった理由は、重たくなると一人で持ち上げられないと感じたからです。
しかし、内側は、ベニヤの繋ぎ目が気になります。そこで、「後から塗装のできるコーキング剤」を薄く塗り込みました。
✅ 塗装できるコーキング材
(※一般的に「変成シリコーン系」「ポリウレタン系」などが塗装可能)
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
変成シリコーン系 | シリコーンの耐久性 + 塗装可能 | 外壁・屋根・木部・金属・サッシ周り |
ポリウレタン系 | 強度・耐久性が高く塗装が密着しやすい | コンクリート・金属・木材・床面 |
アクリル系 | 水性・安価・屋内向き | 内装の隙間埋め・壁の補修 |
エポキシ系 | 硬化後の強度が高く、塗装適性が良い | 金属・プラスチック・コンクリート補修 |
柔軟性が高く塗装可能 | 目地・防水処理・窓周り |
❌ 塗装できないコーキング材
(※一般的に「シリコーン系」「ブチルゴム系の一部」などは塗装不可)
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
シリコーン系(通常タイプ) | 耐候性が高いが塗装を弾く | 浴室・キッチン・水回り・サッシ周り |
油性ブチル系 | ねばりがあり塗装が乗りにくい | 防水シール・車のガラスシール |
ポリサルファイド系 | 耐薬品性が高いが塗装密着性が低い | 船舶・コンクリートの接合部 |
ポイント
- 変成シリコーン系やポリウレタン系は塗装OK
- 通常のシリコーン系は塗装NG(塗料を弾く)
- 塗装する前にプライマー処理を推奨(特にポリウレタン系)
- 塗装不可のコーキング材に塗る場合は、「プライマーを使用する」か「上から別の塗装可能なシーリング材を施工する」
表にしてみましたので、参考にしてくださいね。

2022/8/17
内側も外側も全ての下処理が終わりました。

2022/8/18
天気も良くなったので、塗装の前に自分で持ち上げて軽トラに積載できるかどうかを、実験してみました。
思ったよりも軽く重量的には、25〜30キロ以内に収まっている感じでした。
このことから、軽いカヌーが希望ならば、外側だけのFRP加工をおすすめします。

2022/8/18
このまま木目を生かした状態でもいいかんじですね。

2022/8/18
1. 下処理の基本
- 表面の清掃(汚れ・油分・ホコリ除去)
- 研磨(サンディング)(必要に応じて)
- 下地処理(プライマー・シーラー・パテ)
- 塗装(適した方法で塗布)
素材別の下処理リスト
素材 | 下処理方法 | 注意点 |
---|---|---|
木材(無垢・合板) | ① ヤスリ(#120~#240)で研磨 ② 目止め(サンディングシーラー) ③ プライマー塗布(木材用) | 吸収しやすいのでシーラー必須 |
金属(鉄・アルミ・ステンレス) | ① サビ・汚れ除去 ② ヤスリ・サンドペーパー(#240~#400) ③ 金属用プライマー塗布 | サビ止め塗料推奨、アルミは専用プライマー |
プラスチック(PVC・ABS・アクリル) | ① ヤスリ(#400程度)で軽く荒らす ② シリコンオフで脱脂 ③ プラスチック用プライマー塗布 | 塗料の密着が悪いため必ずプライマー使用 |
コンクリート・モルタル | ① 乾燥(最低1週間以上) ② 目地やヒビを埋める(フィラー処理) ③ シーラー塗布 | アルカリ性が強いため専用塗料を使用 |
FRP(ガラス繊維強化プラスチック) | ① アセトン脱脂 ② サンドペーパー(#240~#400) ③ FRP用プライマー | 塗膜が剥がれやすいためしっかり密着処理 |
シリコーン系・ゴム系 | ① シリコンオフで油分除去 ② 専用プライマー | 一般塗料は密着しないため注意 |
ガラス・陶器 | ① アルコール・アセトンで脱脂 ② ガラスプライマー | 耐久性を上げるには焼き付け塗装推奨 |
下処理に使うアイテム
用途 | アイテム |
---|---|
研磨 | サンドペーパー(#120~#400)、電動サンダー |
脱脂・洗浄 | シリコンオフ、アセトン、アルコール |
密着向上 | プライマー、シーラー、サンディングシーラー |
表面補修 | 木工パテ、金属用パテ、コンクリートフィラー |
仕上がりのポイント
- 表面がツルツルすぎると塗料が乗らない → 軽く研磨してザラつきを出す
- 油分やホコリがあると塗膜が剥がれやすい → 脱脂と清掃は徹底する
- 素材に合ったプライマーを使うと耐久性UP
表にしておきました、参考にしてくださいね。
塗装をする

2022/8/19
サフェーサーを吹き付けました。
サフェーサー・プライマーの違い
種類 | 役割 | 特徴 |
---|---|---|
プライマー(Primer) | 下地の密着向上 | 塗料の密着を強める・素材に応じた専用品が多い |
サフェーサー(Surfacer) | 表面の凹凸を整える | 傷埋め・下地の均一化・プライマー効果を兼ねるものも |
プライマー(密着向上用)
用途 | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
金属用 | ミッチャクロン マルチ | あらゆる素材に対応、速乾性◎ |
イサム塗料 スーパーシーブプライマー | 鉄・アルミ・ステンレス向け | |
プラスチック用 | ソフト99 プラサフ | ABS・PPなどの樹脂に対応 |
ホルツ プラスチックプライマー | 自動車バンパー用にも最適 | |
木材用 | 水性ミルクペイントプライマー | 吸収を抑えて発色UP |
オスモカラー ウッドプライマー | 屋外木部の防腐・防水性強化 | |
FRP用 | アトムハウスペイント FRPプライマー | 密着性を高める専用剤 |
ガラス・陶器用 | ミッチャクロン ガラスプライマー | 滑らかな面でも塗装可能に |
サフェーサー(下地調整・傷埋め)
用途 | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
金属・自動車用 | ソフト99 サフェーサー | グレー色、傷埋め&密着向上 |
ホルツ プラサフ | 自動車補修用、上塗りの発色UP | |
プラスチック・FRP用 | ガイアノーツ プライマリサーフェイサー | プラモデルや小物塗装向け |
木材用 | 和信ペイント 水性サーフェーサー | 目止め効果あり、上塗りを滑らかに |
オールマイティ(万能) | イサム塗料 ウルトラサフ | 金属・樹脂・木材にも対応 |
- 密着性UPなら「プライマー」
- 表面を滑らかにするなら「サフェーサー」
- プライマー+サフェーサー一体型もあり(例:プラサフ)
サフェーサーとプライマーの違いを表にしてみました。
今回使用したのは、ソフト99 サフェーサーです。
しかし、ミッチャクロンでよかったのではないかと、このブログを書きながら感じています。
理由は、コストです。ソフト99のサフェーサーは、缶スプレーでカヌー全体に散布することを考えると4〜5本必要となります。しかし、ミッチャクロンならば、1ℓ缶で塗っても余るぐらいだからです。
用途によって違いはありますが、コストを考えるとミッチャクロンがお値打ちです。

2022/8/19
乾いては塗りを繰り返しました。
塗料の基本分類(用途と特徴)
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
水性塗料 | 水で希釈・低臭・環境に優しい | 乾燥が早く屋内向け、扱いやすい | 耐久性がやや低い |
油性塗料 | 溶剤で希釈・耐久性◎ | 屋外向け、耐水・耐摩耗性が高い | 臭いが強く、乾燥に時間がかかる |
ウレタン塗料 | 耐久性・耐摩耗性◎ | 自動車・家具・屋外塗装に最適 | 硬化剤を使うため扱いが難しい |
ラッカー塗料 | 速乾性・発色◎ | プラモデル・金属・木材に使える | 溶剤が強く、重ね塗り時に注意 |
水性 vs 油性の違い
水性塗料 | 油性塗料 | |
---|---|---|
希釈 | 水 | シンナー・専用溶剤 |
臭い | 少ない | 強い |
乾燥時間 | 速い(1~2時間) | 遅い(6時間~1日) |
耐久性 | 普通(屋内向け) | 高い(屋外向け) |
環境負荷 | 低い | 高い |
塗料の種類と商品リスト
種類 | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
水性塗料 | タカラ塗料 水性ペイント | 色のバリエーション豊富、DIY向け |
アサヒペン 水性多用途カラー | 乾燥が早く、屋内・屋外兼用 | |
和信ペイント 水性ニス | 木材用の透明仕上げ | |
油性塗料 | タカラ塗料 油性ペイント | 屋外用、密着性が高く発色◎ |
アトムペイント 油性ウレタンニス | 家具・木製品向け | |
ロックペイント 油性スーパーシリコン | 耐久性が高い屋外用 | |
ウレタン塗料 | タカラ塗料 ウレタンペイント | 高耐久、屋外・自動車向け |
関西ペイント PG80ウレタン | プロ向け、耐久性抜群 | |
ソフト99 ウレタンクリア | 車の補修用に最適 | |
ラッカー塗料 | タカラ塗料 ラッカースプレー | 速乾性があり、小物塗装向け |
ミッチャクロン クリアラッカー | 下地の密着性を向上 | |
ガイアノーツ ラッカー塗料 | プラモデル用 |
- 環境・扱いやすさ優先なら →「水性塗料」
- 耐久性・屋外使用なら →「油性塗料」
- 耐摩耗性・自動車・家具なら →「ウレタン塗料」
- 速乾・発色重視なら →「ラッカー塗料」
塗料の種類を表にしたので、参考にしてください。
今回使用したのは、タカラ塗料の水性ミントシャーベットです。
私がタカラ塗料を愛用する理由は、タカラ塗料が塗料を楽しんでいるからです。例えばあなたが、塗料選びに悩んだとします。カラーが3種類しかない塗装屋さんと、かわいくて、かっこいいカラーが迷うぐらいある塗装屋さんとどちらを選択しますか?私は、迷わずかわいくてかっこいい塗料がたくさんある塗装屋を選びます。私はこう考えます。「塗装は剥げたらまた塗ればいい」「毎年違う色でも楽しいじゃん」「来月はあの色にしよう!」このように服を着替えるように塗装も気軽に着替えれて楽しめばいいと考えるからです。
しかし、塗装は一生ものとお考えの方もおられることでしょう。だからこそ塗料の種類が豊富なのです。あなたには、あなたに合った塗料を見つけてくださいね。
私には、着替えが簡単な水性塗料が合っただけのことですから。

2022/8/19
ちなみに、我が家の軽トラもバイクもミントシャーベットです。

2022/8/19
内側は、水性マットホワイトを塗りました。

2022/8/19
カヌー用の台車は、製作前から用意しておくと便利ですよ。

2022/8/19
3mx3mの狭い作業小屋での製作でしたが、やればできましたね。
収納と最終仕上げ

2022/8/20
カヌーの収納場所を作りました。

2022/8/20
仕切りの位置に棚ステーを入れラッシングベルトで締めて固定しました。
後、雪国なので移動する羽目になりましたけどね。

2022/8/20
カヌーを持ち上げる時、荷役ベルトを2本カヌーに巻くと持ち運びが格段に楽になります。
さらには、ランドセルのように背負うことも可能ですよ。

2022/8/20
ガンネルの部分に、幼稚園などの机の角に貼るために販売していた、怪我防止用のモールを貼り付けました。
積載方法

2022/8/20
積載するためのステーを溶接で製作して積載可能にしました。
参考記事をリンクしておきますので、参考にしてくださいね。
進水式

2022/8/21
奥只見湖で浸水式です。
奥只見湖のカヌーの乗り入れ、キャンプ場などの情報を書いた記事をリンクしておきますので、参考にしてくださいね。
2022/8/21
無事浮かびました。犬も喜んでおります。
まとめ

『一万円で作るカナディアンカヌー』予算
- 合計:36,808円
- ミッチャクロン:1ℓ:2,473円
- FRPプライマー:1kg:3,576円
- FRPガラスクロス#200:10m:8,358円
- 角材:1.2cmx1.8cmx90cm:1本:158円
- 水性塗料:1k:4,279円(二色にする場合はx2)
- 木工用ボンド:500ml:2本:598円x2=1,196円
- ベニヤ板:180cmx90cm(1.2cm厚)1枚:1,380円
- 綿テープ:1.8cmx500cm:10本:348×10=3,480円
- FRP樹脂(凝固剤付きインパラフィン):4kg:5,158円
- ベニヤ板:180cmx90cm(0.4cm厚)5枚:1,350円x5=6,750円
- FRP加工を望まないのであれば:-17,092円で、合計:19,716円となります。
一万円では、作れませんが、二万円〜四万円なら作れます。(2025/3)
しかし、絶対に必要なものもありますので、紹介しますね。
絶対に必要なもの
項目 | 理由 | 補足 |
---|---|---|
1. 木取り図 | 正確な形状を作るために不可欠 | 素人が木取り図なしで成形するのは極めて困難 |
2. 場所 | カヌーは大型の工作物なので広い作業スペースが必要 | 屋根付きガレージが理想だが、仮設テントでも対応可能 |
3. 時間 | 製作には最低1ヶ月以上かかる | 時間がないと作業が進まず、未完成になるリスク大 |
カヌーを自作するためには 木取り図・場所・時間 の3つが必須。
この3つが揃わなければ、製作は非常に困難になるため、まずは時間と場所を確保することが最優先です。
木取図
私の調べたところ、木取り図の入っている『一万円で作るカナディアンカヌー』は、現在Amazonでしか販売されていませんでした。(2025/3)
『一万円で作るカナディアンカヌー』←こちらで、一万円で作る本が一万円以上の値段になっていますが、興味のある方はご覧ください。
しかし、ご安心ください。私の再作した三分割シーカヤックを製作・販売しているアーキ・テックさんからキットが販売されていました。
フルキット6万円で販売されています。⬇︎
場所
あたりまえなことですが、場所がなければカヌーは作れません。
このカヌーで4.4mありますので、最低でも5mx5mの場所が必要となります。
時間
1日8時間稼働で21日の制作時間でした。
このことから、約1ヶ月の時間が必要となります。
週末の土日だけの作業と考えると、1ヶ月に2回作業にあてられるとして、約一年かかる計算になります。
しかし、私が一番初めに舟を作りたいと思った時の住居は、アパートでした。そのアパートのベランダで三分割のシーカヤックを作り始めたのです。ベランダでの作業は困難を極めましたが、今では良い思い出です。そのとき感じ願ったことは、「もっと広い場所で作業がしたい」「自分専用の作業場が欲しい」といったことでした。今現在この願いは、ゆっくりと叶いました。願えば叶うのです。人生もDIYも「やればできる。やらなければなにもできない」のです。そうです。行動です。
今、ここまで読んでいただき少しでもカヌーを作りたいと思い「ドキドキ」しているのならチャレンジしてみてください。頭の中の妄想を行動に移し一歩踏み出してください。先ほど絶対に必要なものを記載しましたが、最後にもう一つだけ「行動すること」これを絶対に必要なものの中に、つけ加えておきます。
このブログが、あなたのカヌーライフのお役に立てると幸いです。
長々とお付き合いありがとうございました。最後まで読んでいただいたことを心より感謝いたします。
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